第7回目の奨励賞は、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターに2名、
シカゴ大学医学部に1名留学研修。
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『2016年度リレー・フォー・ライフ マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞』受賞式を開催
日時:2017年4月24日(月)15:00~17:00
場所:有楽町朝日ホール
主催:公益財団法人日本対がん協会
協力:The University of Chicago
The University of Texas MD Anderson Cancer Center
一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト
2017年4月24日、有楽町朝日ホールに於いて、公益財団法人日本対がん協会主催、米国シカゴ大学ならびにテキサス大学MDアンダーソンがんセンター、一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトの協力のもと、『2016年度リレー・フォー・ライフ マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞』の授賞式が行われました。
本奨励賞は、日本対がん協会が、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(以下MDアンダーソンがんセンター)の協力を得て、日本の若手医師が同センターにおいて1年間研修する事を目的として、2010年度に設立されました。これまで11名の医師がテキサス大学MDアンダーソンがんセンターに、1名がシカゴ大学にて研修する機会が与えられました。第7回目を迎えた本年は、MDアンダーソンがんセンターに2名、シカゴ大学医学部に1名、奨励賞が授与されました。この賞は、患者さん、ご家族、支援者の方々が日本対がん協会とともに推進し、開催している「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」に寄せられた寄付金を基に運営しております。そこには、多くの患者さん、ご家族そして一般市民の方々の"日本のがん医療の進展"につながる次世代の人材育成推進への願いが込められております。
2017年に留学予定の受賞者には、厳正なる審査の結果、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターには、乳腺腫瘍外科医の喜多久美子氏(聖路加国際病院乳腺外科)と血液内科医の西本光孝氏(大阪市立大学大学院医学研究科血液腫瘍制御学)が選ばれました。また、シカゴ大学医学部には、呼吸器内科医の宮内栄作氏(東北大学病院呼吸器内科)が選ばれました。授賞式では、日本対がん協会理事長秋山耿太郎氏の開会挨拶のあと(下の写真上段)、MDアンダーソンがんセンター、シニアバイスプレジデントのOliver Bogler氏(Global Academic Programs Vice President)からビデオによる祝辞が放映されました。(下の写真下段)。
その後MDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科教授上野直人氏から、受賞者である喜多久美子氏ならびに西本光孝氏のお二人に、アワードの授与および目録贈呈が行われました。(下の写真)
続いて、シカゴ大学医学部のKenneth S. Cohen氏から、宮内栄作氏にアワードの授与および目録贈呈辞が行われました。(下の写真)
受賞者からは、米国研修に対する抱負や日本の今後のがん医療への貢献などが語られました。
以下、三名の受賞にあたっての抱負を掲載いたします。
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RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞に選ばれて
聖路加国際病院乳腺外科の喜多久美子と申します。(上の写真)
この度、このような素晴らしい賞を頂き、大変嬉しく光栄に感じております。
私はこれまで乳腺外科・消化器外科を中心に外科のトレーニングを積み、現在は乳腺専門医として臨床診療に携わっています。臨床医として13年目になりますが、日々の診療の中で生じる疑問や、患者さんが抱える悩み、癌治療に対する様々な思いをもとに、それらの解決につながる研究をしたいと思いが年々強くなり、5年前に横浜市立大学の大学院生として癌の基礎研究・トランスレーショナル研究に携わる機会を得ました。そこで研究の意義と楽しさに触れるとともに、さらに研究を深めたいという思いと、自ら研究を立案して進めていけるようになりたいという気持ちに駆られるようになり、研究留学を志願するに至りました。今回の受賞は、夢の第一歩として非常にありがたく感じており、その機会を最大限に生かして、癌研究の第一線で学び、帰国後はそれを出来る限り還元していきたいと思っています。また、リレー・フォー・ライフに代表されるようなサバイバーシップ活動についても本場の米国で体験し、日本でも継続していきたいと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
大阪市立大学大学院医学研究科の西本光孝と申します。(上の写真)
このたびはこのようなすばらしい賞を受賞でき、大変うれしく思いますとともに、身の引き締まる思いであります。私は血液内科医として、特に、同種造血幹細胞移植治療に従事してきました。白血病をはじめとした血液悪性腫瘍の多くは進行が早く、また、化学療法に抵抗性であることもしばしばあります。そういった難治性の血液疾患に対して、根治を目指した治療法として同種造血幹細胞移植が行われています。しかし、残念ながら、治療による重篤な合併症によって、命を落としてしまう方が20-30%にものぼる非常にリスクの高い治療です。また、急性期の合併症をうまく乗り切っても、慢性の合併症によりQOLが著しく低下してしまったり、原病が再発してしまう患者様も多く経験してきました。まだまだ発展途上の治療法といわざるを得ないと思います。このたび、世界でも有数の移植施設であるMDアンダーソンがんセンターで研修、研究する機会を与えていただきましたので、そこで多くを学び、より安全で、より効果的な同種造血幹細胞移植治療の確立のために貢献できるようにがんばってきたいと思います。
東北大学病院呼吸器内科の宮内栄作と申します。(上の写真)
この度はMOD奨励賞を受賞させていただくことになり、シカゴ大学で学ぶ機会を得ることができたことを大変嬉しく思います。大変嬉しく思うと共に、この奨励賞がたくさんの方々の期待と支援の基に成り立っていることを改めて感じ、身が引き締まる思いです。私は呼吸器内科医で、特に肺癌の臨床研究・基礎研究をライフワークにしています。肺癌はあらゆる癌種の中で最も予後不良な疾患であり、私が携わる患者さんの多くは根治が難しい進行癌の患者さんです。進行肺癌患者さんの予後は決して良いとは言えない現実がありますが、医学は目まぐるしく日々進歩しています。進行肺癌の患者さんでも根治を目指し、がんになっても不安を感じることなく生活ができるように支援していくことが私の夢であります。そして肺癌診療に関わる仲間を増やし、より手厚いがん医療を患者さんに提供できることがもう一つの願いであります。皆様の支援でいただいた留学の機会を十分に生かし、米国での肺癌の基礎研究、橋渡し研究、臨床研究の現場を経験し、帰国後にあらゆる形で皆様に還元できればと考えております。皆様の期待に沿えるよう、米国で沢山のことを学び、経験をして来たいと思います。
引き続き、日本対がん協会を代表して会長の垣添忠生氏より、受賞者への期待の言葉が語られました。(下の写真)
続いて、上野直人氏とKenneth S. Cohen氏より、がんのトランスレーショナルリサーチおよび臨床分野における医学留学がいかに日米双方のがん治療ならびに臨床研究の利益になるかについて、特別講演がありました。
MDアンダーソンがんセンター上野直人氏(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター 腫瘍内科教授)は、「がん臨床バイオロジストの育成のための腫瘍内科研修プログラムの必要性 Need for Clinical Cancer Biologists Medical Oncology Training Programs」についての講演がありました。(下の写真、講演スライドPDF)
Kenneth S. Cohen氏(シカゴ大学医学部血液腫瘍内科)は、「がん研究開発のための国際研修プログラムの実施 Implementing international training programs for oncology research development」についての講演がありました。(下の写真、講演スライドPDF)
授賞式の後は、関係者一同による記念写真撮影で締め括られ、会は盛会に終了しました。(下の写真)
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[2017/05/16 13:27] | マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞 | コメント(0) | トラックバック(0) | タグ: MDアンダーソンがんセンターがん医療マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞リレー・フォー・ライフ・ジャパン日本対がん協会日米医学交流留学研修
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