第8回目の奨励賞は、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターに2名、
シカゴ大学医学部に1名留学研修。
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『第8回リレー・フォー・ライフ マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞』受賞式を開催
日時:2018年5月11日(月)14:00 ~ 16:00
場所:東京アメリカンクラブ
主催:公益財団法人日本対がん協会
協力:The University of Chicago
The University of Texas MD Anderson Cancer Center
一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト
2018年5月11日、東京アメリカンクラブに於いて、公益財団法人日本対がん協会主催、米国シカゴ大学ならびにテキサス大学MDアンダーソンがんセンター、一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトの協力のもと、『第8回リレー・フォー・ライフ マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞』の授賞式が行われました。
本奨励賞は、日本対がん協会が、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(以下MDアンダーソンがんセンター)の協力を得て、日本の若手医師が同センターにおいて1年間研修する事を目的として、2010年度に設立されました。これまで13名の医師がテキサス大学MDアンダーソンがんセンターに、2名がシカゴ大学にて研修する機会が与えられました。第8回目を迎えた本年は、MDアンダーソンがんセンターに2名、シカゴ大学医学部に1名、奨励賞が授与されました。この賞は、患者さん、ご家族、支援者の方々が日本対がん協会とともに推進し、開催している「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」に寄せられた寄付金を基に運営しております。そこには、多くの患者さん、ご家族そして一般市民の方々の"日本のがん医療の進展"につながる次世代の人材育成推進への願いが込められております。
2018年に留学予定の受賞者には、厳正なる審査の結果、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターには、乳腺内分泌外科医の菊池弥寿子氏(東京大学医学部附属病院乳腺内分泌外科)と放射線科医の隈部篤寛氏(慶應義塾大学医学部 放射線科学)が選ばれました。また、シカゴ大学医学部には、乳腺科医の服部正也氏(愛知県がんセンター中央病院)が選ばれました。授賞式では、日本対がん協会理事長 後藤尚雄郎氏より開会挨拶と受賞者の紹介がありました。(下の写真下段)。
その後MDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科教授上野直人氏から、受賞者である菊池弥寿子氏ならびに隈部篤寛氏のお二人に、アワードの授与および目録贈呈が行われました。また、シカゴ大学医学部のKenneth S. Cohen氏から、服部正也氏にアワードの授与および目録贈呈辞が行われました。(下の写真)
受賞者からは、米国研修に対する抱負や日本の今後のがん医療への貢献などが語られました。
以下、3名の受賞にあたっての抱負を掲載いたします。
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RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞に選ばれて
東京大学医学部附属病院乳腺内分泌外科の菊池弥寿子と申します。(上の写真)
今回MOD奨励賞を受賞させていただいたことは、身に余る光栄でございます。同時に、この賞を受賞することは、リレー・フォー・ライフを支援されている皆様から、これからのがん研究、治療への期待を込めたタスキを引き継ぐことでもあり、身の引き締まる思いです。日乳腺内分泌外科医として日々の診療を行ううちに、様々な事情を抱えながら治療を続けられている患者さんに対し、様々な専門分野のスタッフと、密な連携をとる必要性を痛感するようになりました。さらに、近年は遺伝子発現パターンによる再発リスク評価、マルチ遺伝子パネルによる発癌リスク予測や、予防医療など、がん治療に対する幅広い知見のキャッチアップが求められております。一方、原発がん組織からの転移の予見はいまだ課題であり、転移部位に応じた治療、効果判定、さらに侵襲の少ない検査で、より高密度の情報を得ることが期待されていることも感じました。こうした経験の中で、次第に研究に携わりたいという思いが強くなりました。今回研修させて頂くMDアンダーソンがんセンターは、多職種のスタッフが各々の専門領域で連携を取り合い、多くの研究成果をあげ、新たな治療方針を世界に発信している施設として知られております。多職種による治療連携について体験し、低侵襲、高密度な転移予測ツールの確立を目指した研究を行い、帰国後に日本の橋渡し研究、がん治療に貢献したいと考えております。
慶應義塾大学医学部 放射線科学の隈部篤寛と申します。(上の写真)
この度は、このような素晴らしい賞を受賞でき、大変有難く、また光栄なことだと思っております。またこの賞は、RFLの寄付金が原資となっていることを知って、同時に身が引き締まる思いです。
私は、放射線治療を専門として、日々がん患者さんの診療に携わっております。分野としては、胸部領域の悪性腫瘍を中心に担当しています。放射線治療は近年の治療技術の発達に伴い、より病巣に絞って精密かつ正確に治療することが可能となっています。しかし、周囲の正常組織への障害が問題となり、癌が完治したとしても治療後に患者さんのQOLを損なうことがしばしば見受けられます。従ってより患者さんに負担が少なく、副作用の少ない治療の開発が求められます。
このたび、研修させて頂く予定の、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターは世界有数のがん治療施設であります。当施設では、従来のX線治療に比べて、正常組織への放射線量を低くでき、身体により負担の少ない陽子線治療が、実臨床や臨床研究で広く用いられています。ただしその臨床的な有用性についてはまだまだ分からないことが多いのが現状です。この貴重な機会をフルに生かして、米国では陽子線治療がどのようにそしてどの程度、X線治療に比べて有効なのかを学んだ後に、より優れた放射線治療を提供して日本のがん医療に貢献できるように頑張っていきたいと思っております。今後とも宜しくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございます。
愛知県がんセンター中央病院乳腺科の服部正也と申します。(上の写真)
この度は、このような素晴らしい賞に選考いただき、誠にありがとうございます。日本対がん協会をはじめ、リレー・フォー・ライフに関わる全ての皆様に深く感謝を申し上げます。
私は、乳腺腫瘍学を専門とする腫瘍外科医として研鑽を積んでまいりました。日々、乳癌の患者さんの治療に携らせて頂く中で、数多くの治療開発試験にも関わらせて頂き、その中で、がん治療におけるバイオマーカーの重要性と個々のゲノム情報を利用したがん治療の個別化に強い関心を抱くようになりました。乳癌のみならずがんの治療では、なぜ個々で効果が異なるのか、なぜ個々で副作用が異なるのか、そして、なぜ治療が効かなくなるのか、という基本的な疑問があります。今回の研修では、これら疑問の解明に少しでもつながるようなゲノム情報を用いた橋渡し研究と実際のゲノム医療を学びたいと考えております。私が今回研修させていただくシカゴはオバマ前大統領の地元で、その退任演説の中に"Show up. Dive in. Persevere."という言葉がありました。今、まさに持つその気持ちを忘れず、楽しんでチャレンジしてまいります。
最後に、この機会を後押しくださった岩田広治先生、また多くのサポートを頂く愛知県がんセンターの皆様、そして妻と3人の子供達に感謝をし、私の受賞の言葉とさせていただきます。
引き続き、日本対がん協会「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」を代表して坂下千瑞子氏より、受賞者への期待の言葉が語られました。(下の写真)
上野直人氏とKenneth S. Cohen氏より、がんのトランスレーショナルリサーチおよび臨床分野における医学留学がいかに日米双方のがん治療ならびに臨床研究の利益になるかについて、特別講演がありました。
MDアンダーソンがんセンター上野直人氏(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター 腫瘍内科教授)は、「留学研修をする意義Why should you study abroad?」についての講演がありました。(下の写真、講演スライドPDF)
Kenneth S. Cohen氏(シカゴ大学医学部血液腫瘍内科)は、「がん研究開発のための国際研修プログラムの実施 Implementing international training programs for oncology research development」についての講演がありました。(下の写真、講演スライドPDF)
授賞式の後は、関係者一同による記念写真撮影で締め括られ、会は盛会に終了しました。(下の写真)
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[2018/06/18 13:36] | マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞 | コメント(0) | トラックバック(1) | タグ: MDアンダーソンがんセンターがん医療マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞リレー・フォー・ライフ・ジャパン日本対がん協会日米医学交流留学研修
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